映画『関心領域』は、「意味が分かると怖い」と話題の映画です。
が、中でも、「最後が最も怖かった」と感じている人も多いようです。

それって一体どういうこと
エンドロール最後に映像があるのかどうかも。
映画『関心領域』エンドロールネタバレ①最後が一番怖い、てどういうこと?
とにかく曲が不快。
どう不快なのか…↓
『関心領域』エンドロール曲を聴いた感想
『関心領域』のエンドロールを思い出そうとして、一番に思い起こされるのは、女性群による甲高い叫び声です。
エンドロールがそうやって始まると思わず、
(最後までこんな感じなのか)
と、思ってしまいました。
エンドロール曲といっても、それを果たして曲と呼んでいいのか。
歌詞という歌詞や、メロディーというメロディーもなく、女性群の叫び声が、ずっと続いていたのが印象的です。
聴いているとなんだか焦燥感に駆られます。
叫び声もそうですが、不協和音の連続でもあるからなのでしょうね。
不快な音響は本編でもありましたが、それらはあくまで映画の中の登場人物に向けられているような気がしていました。
それがエンドロールでは、音量もあるせいか、まるで彼らの魂がすぐそこで苦しんでいるような、臨場感がありました。
そしてこれは、きっと同じように感じた人も多いのではないかと思いますが…
女性群の叫び声が、ホロコーストの犠牲者の魂の苦しみを表しているように感じました。
ガス室から抜け出せなくて、その暗くて息苦しい四角い空間の中に、ずっとこだまし続けているかのような。
ガス室で息耐えるまでには、体力などによって、3~20分掛かったようです。
亡くなったかどうかは、叫び声が聞こえなくなったかどうかで、判断することができたといいますが(とはいえ、ちょっと意識ある状態で焼却炉に入れられてしまう方もいたとのこと)、
エンドロール分くらい(6分くらい)は、実際にも叫び声があがり続けていたということですよね。
3分でも地獄のように長いわけですが、体感としては、それ以上だったでしょうね。
エンドロール曲に収録された女性の叫び声も、確かに苦しそうではあります。
しかしそれとは比にならない本当の苦しみが、彼らを襲い続けたのです。
想像すれば想像する程に恐ろしくなりますが、いくら想像しようとも、彼らの本当の苦しみを理解することは不可能です。
ということで、聴いていると心臓がドキドキしてきてしまうエンドロール曲なので、耳心地が良いとはいえず、ずっと聴いていたいとは思いません。
それで落ち着かなくて、エンドロール途中で退席する人が続出したのではないか、と思っています。
「エンドロールが一番怖かった」という意見には、共感せざるを得ませんね。
ですがその一方で、不思議とクセになってしまうような魅力があります。
それはきっと、今までかつて出会ったことのないようなサウンドだからなのでしょう。
それを聞くことでしか、得られないものがあるからなのだと思います。
これは、エンドロール含め、1度は映画館で視聴してほしいと思った映画でした。
映画『関心領域』エンドロールについてみんなの感想
この項目では、映画『関心領域』のエンドロールを聞いた試聴者の感想を、いくつか紹介させて頂きます。
『関心領域』疲れていたのか、
X公式(https://x.com/VbXiqGBbW34vdTe/status/1794977485744181487)
中盤辺りまでは淡々とした内容だったので眠気で集中出来なかったですが、
エンドロールのあれで何かに取り憑かれそうな感覚になり退場後はしばらく外で空を眺めてないと気が可笑しくなりそうでした
こんなに早く映画館を離れたいと思うエンドロール初めてだった。
X公式(https://x.com/pattsuuuuuun/status/1797571196533539284)
視線を右に動かすのが怖かった。
映画館を出た後もしばらくは、聴こえる音全てに敏感になっていた。
観たことを後悔はしないけれど。
関心領域見てきたけど、全てを通してエンドロールが1番怖かったです。
X公式(https://x.com/k_iph9/status/1795820897196261659)
個人的に。
あと上映終わった後に、誰1人喋ってなかった。
それくらい衝撃作。
「関心領域」見ました。
X公式(https://x.com/soo_840/status/1798200890115178698)
細かい感想はまた後で呟くとして、これだけは。
リアルに見終わった後にトイレに直行して吐きました。
内容にあてられたのか、
エンドロールの音響が合わなかったのかは分からないけど、
とにかくエンドロール終わった直後から吐き気が止まらなくて速攻トイレにGOしました…
エンドロールの不快感と不安を煽る音楽も個人的に好きでニヤニヤしちゃった
X公式(https://x.com/69shadow69/status/1795784718786658498)
週末にエンディングクレジットの最後まで観覧してきたのですが、
YouTube公式(https://www.youtube.com/watch?v=e-FiwwrHZ68&ab_channel=StoryHub)
観客の半分がこの音楽を最後まで聴いていったんです。
印象的でした
私がこれまでの人生で聞いた中で最も恐ろしい音楽。
YouTube公式(https://www.youtube.com/watch?v=e-FiwwrHZ68&ab_channel=StoryHub)
しかし、映画の文脈の中では、ある種のカタルシスも感じられます。
背景で苦しんでいた人たち全員がついに視界に入り、
彼らが受けた不当な残虐行為と恐怖について声を上げることが許されたようなものだ。
私はいつもこの音楽を、
YouTube公式(https://www.youtube.com/watch?v=e-FiwwrHZ68&ab_channel=StoryHub)
ヘスが後戻りできない暗い叫び地獄へとどんどん螺旋階段を降りていくものだと解釈していました。
劇場でこれを聞いたとき、本当にパニック発作が起きるかと思いました。
YouTube公式(https://www.youtube.com/watch?v=e-FiwwrHZ68&ab_channel=StoryHub)
エンドロールを見終えたら気持ち悪くなって吐いてしまった、という人もいたという事実は、ショッキングですよね。
「聞いていられなくて、早く席を立った」という人が多かったことも印象的です。
しかし中には、「エンドロール曲が大好きで、もう一度聞きたい」という強者も少数派ながらいました。
「エンドロールが終わって、劇場がこんなに静まり返っていたのは初めて」といった感想を見てしまうと、途中で退席することは勿体なくも感じられますね。
そんな経験は中々ないですからね。
ということで、『関心領域』エンドロール曲は、聴き手を選ぶ作品のようです。
映画『関心領域』エンドロールネタバレ②エンディング曲のタイトルや作曲者他
作曲者
『関心領域』の音楽を担当し、オープニング曲やエンディング曲を手掛けたのは、イギリスの作曲家、 Mica Levi(ミカ・レヴィ)さんです。
1987年2月28日生まれで、映画公開当時(日本)37歳。
シンガーソングライターであり、プロデューサーでもあります。
タイトル
タイトルはリサーチしまくったのですが、見つかりませんでした。※分かり次第、追記します。
映画のサウンドトラックリストにも、以下の通りで、含まれていませんでした。
Soundtrack.Net(https://www.soundtrack.net/movie/the-zone-of-interest)
- 「中国のシュトラッセンセナーデ」
- 編曲:ミシガン大学音楽・演劇・舞踊学部の学生による演奏 オリオール・サンズの指揮 ルートヴィヒ・ザイデ作詞、アウシュビッツI男子オーケストラのメンバーによる編曲
リチャード・バーンバッハ有限会社とミシガン大学音楽・演劇・舞踊学部の許可を得て使用- 「ハイル・エウロパ」
- モスタル交響楽団による演奏
フランツ・フォン・ブロン作曲
X5 ミュージック・グループの許可を得て使用- 「おお、我がオーストリア」
- 演奏:インフィアトラー交響楽団
作曲:フランツ・フォン・スッペ
マーティン・ブルクシュタラーの厚意によりライセンス提供- 「サンビーム」
- ジョセフ・ウルフ作詞
ジョセフ・ウルフの音声録音は米国ホロコースト記念博物館提供- 「ティヴォリ=ルッチのワルツ 作品39(弦楽四重奏版)」
- 作曲:ヨハン・シュトラウス1世
演奏:ウィーン弦楽五重奏団
Dynamic Srl の厚意によりライセンス提供- 「ウィーンの森の物語」
- 演奏:セント・アンソニー・シビック・オーケストラ、指揮:キャロル・ジェンセン
作詞:ヨハン・シュトラウス2世、編曲:キャロル・ジェンセン
使用許諾:キャロル・ジェンセン&キース・マイナー- 「ヴェスタリン・マルシュ」
- ジュリアス・ゲロルド作詞、フリードリヒ・ディーゼンロート&ヘルマン・シュミット
編曲 ブージー&ホークス・ミュージック・パブリッシャーズ・リミテッド(コンコード傘下)発行
映画の中でだけ聴いてね、ということだったのでしょうか。
解説
まず、エンドロール曲のあの奇妙な叫び声の正体ですが、
"様々な叫び声を出す歌手グループの音声を録音し、コラージュ(切り貼り)したものを、ゆっくりと徐々に音程を下げていったもの"
だそうです。
人間の声という原始的な音楽と、現代のテクノロジーの融合によって、創作された曲だったというわけでした。
とある研究結果によると、
人間は、叫び声とそうでない声を聞き分けることは得意なのだそうです。
しかし、それが本物か、偽物かどうかを見分けることは、苦手なのだそう。
それで、
『関心領域』のエンドロール曲を聴いていると、
ずっと本物の苦痛の叫び声を聞いているような錯覚に陥ってしまい、
ドキドキしてしまうのかもしれませんね。
するとこう思うわけです。
『関心領域』に出てきたおばあちゃんは、このような感覚だったのかと。
おばあちゃんは、アウシュヴィッツ強制収容所の隣に住む娘の家で一夜を過ごそうとしましたが、犠牲者の悲鳴などを耳にすると、眠れなくなっていました。
そして同時に、その他家族の順応能力には、改めて目を見張るものがあるというか、考えさせられるものがありますね。
叫び声には関心を示さず、日常生活を送っていましたからね。
映画『関心領域』エンドロールネタバレ③曲中や最後に映像は出てくるのか
いいえ。
『関心領域』のエンドロール後に映像はありません。
▼参考元
How about those end credits? No, there’s no scene after The Zone of Interest end credits, only a parting barrage from Levi in the form of a discomfiting march, one last parade of orderly torment
https://midlifecrisiscrossover.com/
筆者が引用文献を探し当てた理由…
それは、筆者もエンドロールの終わりを最後まで見届けなかった大勢の内のひとりだったからです。
見届けたい気持ちはありましたが、
そうしなかった理由まず一つ目は、映画を観てこの後にすぐやりたいことがあった。(詳しくは、記事を書きたくなってしまった)
そして理由二つ目が、(この後絶対何もない)と確信した。
なんというか、あったら何か台無しになるものを感じました。終わり方が、完璧だったということですね。
そして三つ目が…、
エンドロール曲にやられて、無意識に映画館を早く出たくて仕方なくなった…のかもしれません。
参考文献:
https://www.latimes.com/entertainment-arts/movies/story/2023-12-12/composer-mica-levi-future-of-movies-zone-of-interest-under-the-skin-zola-interview
https://navymule9.sakura.ne.jp/Rudolf_Hoess.html
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